高年齢雇用継続給付について、段階的に縮小されます。
縮小・廃止のスケジュール
令和6(2024)年度までは現状の給付率15%が維持されます。
令和7(2025)年4月から、新たに60歳に到達する人から給付率が10%に縮小されます。
令和8年度以降、給付金は段階的に縮小、まだ具体的な廃止時期は決定されていません。
現在の高年齢雇用継続基本給付金受給のための3要件
- 雇用保険の被保険者であった期間が5年以上あること
- 60歳以上65歳未満の一般被保険者であること
- 原則として60歳以後に支払われる各月の給与月額が、「60歳到達時の賃金月額」と比べて75%未満に低下した状態で働き続けていること
数年の間に準備を
現在60歳定年年齢により再雇用され、上記3要件を満たした場合、高年齢雇用継続基本給付金を受給できる仕組みにより、受給を前提として賃金月額を減額されている社員と、今後段階的に新たな給付率により減額を決定する社員の賃金月額とのバランスをどのように考えるか。更には廃止された際にはどうするか。
賃金月額の決定方法の見直しに加え、就業規則・給与規程等の見直しも必要になります。受給を前提に再雇用後の賃金月額を決定している場合は、高年齢労働者の働き方や賃金について、早めに検討することをお勧めします。
公務員など雇用保険に加入していない人の再雇用
地方公務員など常勤で正規任用されている場合、雇用保険の適用除外となっているため雇用保険には加入していません。
しかし、定年退職をして、週の所定労働時間が20時間以上の短時間勤務またはフルタイム勤務で再任用された場合は、雇用保険に加入することになります。現在、地方公務員などの定年は、原則として、60歳に達した日以後における最初の3月31日が定年退職日になります (令和5年度から令和13年にかけて段階的に引き上げ65歳定年になります) 。
したがって、再任用がスタートするのは、定年退職後の60歳を過ぎてからということになり、そのときに雇用保険加入になると、「5年以上雇用保険に加入する」という要件を満たすのは65歳を過ぎてからです。
そのため高年齢雇用継続給付金を受給できるケースは通常はないことになります。但し、定年退職前に一般企業に就職した期間があり、5年以上の雇用保険加入期間を満たした場合には受給できる可能性があります。