厚生労働省は、今年10月の地域別最低賃金の改定を前に、企業における賃金引上げを支援する業務改善助成金を拡充しました。業務改善助成金は、事業場内最低賃金を30円以上引き上げるとともに、生産性向上につながる設備投資を行った中小・小規模企業を対象に支給するもの。
引上げ前の事業場内最低賃金の額に応じて、設備投資に要した費用の一定割合を助成します。
8月31日に講じた拡充では、①対象となる事業場の拡大、②一定規模事業場に対して賃金引上げ後の事後申請を認める、③助成率区分の金額を見直し、高助成率が適用される範囲の拡大――の3点を実施しました。
対象事業場については従来、事業場内最賃と地域別最賃の差額が30円以内の事業場に限定していましたが、拡充により、差額50円以内にまで広げました。申請に当たっては、50人未満の事業場を対象に、申請時の「賃金引上げ計画」の提出を不要としました。今年4~12月に引上げを実施した場合に限り、申請書と併せて賃上げ結果などを提出することで支援を受けられるようにしています。助成率の区分は、「事業場内最賃900円未満」で10分の9(従来は「870円未満」)、「同900円以上950円未満」で原則5分の4(従来は「870円以上920円未満」)、「同950円以上」で原則4分の3――の3区分を用意しました。
助成金の申請期限は来年1月31日。
ただし、今年10月の最賃改定に対応して賃金を引き上げる場合には、改定日の前日までに引上げを完了させる必要があります。