身近な労働法の解説 ―求人の際に明示する労働条件等―

2024年01月26日
身近な労働法の解説 ―求人の際に明示する労働条件等―

職安法では、労働者を募集したり、職業紹介事業者への求人の申込をしたりする際には、求職者や職業紹介事業者等に対して最低限明示しなければならない労働条件等があります。

1.労働条件等の明示が必要なタイミング

  1. ハローワーク等への求人申込み、自社HPでの募集、求人広告の掲載等を行う際
    ただし求人票のスペースが足りない等、やむを得ない場合には「詳細は面談時にお伝えします」などと付した上で、労働条件の一部を別途のタイミングで明示することも可能です。この場合、原則、面接などで求職者と最初に接触する時点までに、全ての労働条件を明示する必要があります。
  2. 当初明示した労働条件に変更があった場合
    面接の過程で当初明示した労働条件が変更となる場合は、その変更内容を明示する必要があります。この明示は速やかに行います。
  3. 労働契約締結時(労基法に基づく明示)

2.最低限明示しなければならない労働条件等(職安法5条の3、職安則4条の2)

業務内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間、休憩時間、休日、時間外労働、賃金、加入保険、受動喫煙防止措置、募集者の氏名または名称、派遣労働者として雇用する場合はその旨。
上記に関して、具体的には以下のような内容の表示が必要です。

  • 「就業時間」の項目において、裁量労働制を採用している場合は、「○○型裁量労働制により○時間働いたものとみなされます」などの表示が必要です。
  • 「賃金」の項目において、いわゆる固定残業代を採用する場合は、①基本給、②○○手当(○時間分の時間外手当として○○円を支給)、③○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給、のような記載が必要です。
  • 試用期間中の労働条件が異なる場合は、試用期間中の労働条件についても明示が必要です。

3.令和6年(2024年)4月の改正点

求職者に対して明示しなければならない労働条件に、以下の事項が追加されました。

  1. 従事すべき業務の変更の範囲
    「変更の範囲」とは、雇入れ直後にとどまらず、将来の配置転換など今後の見込みも含めた、締結する労働契約の期間中における変更の範囲のことをいいます。
    例:(雇入れ直後)一般事務 (変更の範囲)○○事務
  2. 就業場所の変更の範囲
    「変更の範囲」とは、上記(1)と同じです。
    例:(雇入れ直後)東京本社 (変更の範囲)○○支社
  3. 有期労働契約を更新する場合の基準
    例:
    契約の更新 有(○○により判断する)
    更新上限 有(通算契約期間の上限 ○年/更新回数の上限 ○回)
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