社会保険の適用拡大について

2023年10月25日
社会保険の適用拡大について

今回は令和6年10月から予定されている短時間労働者に対する社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用拡大について説明します。

○現行の適用基準(令和4年10月~)

正社員のほか、短時間労働者(アルバイトやパートタイマー等)であっても、厚生年金保険の被保険者数が101人以上の企業等に勤務している場合は、一定の要件を満たすと社会保険の被保険者となります。一定の要件とは次のとおりです。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 雇用期間が2カ月を超えて見込まれること
  3. 賃金の月額が88,000円以上であること
  4. 学生でないこと

「厚生年金保険の被保険者数が101人以上の企業等」とは、法人事業所の場合は同一法人格に属する(法人番号が同一である)すべての適用事業所(厚生年金保険が適用されている事業所)の厚生年金保険の被保険者の総数が101人以上であること、個人事業所の場合は適用事業所ごとに使用される厚生年金保険の被保険者数の総数が常時100人を超える事業所であることを満たしている場合に該当することとなります。

○令和6年10月以降の適用基準

現行の短時間労働者に対する社会保険の適用基準が、法改正に伴い令和6年10月からさらに拡大されることとなります。
具体的には、現行では「厚生年金保険の被保険者数が101人以上の企業等」となっていますが、この基準が令和6年10月から「厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等」と変更されます。
すなわち、令和6年10月からは、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で勤務している短時間労働者であって、次の要件を満たした場合に社会保険の被保険者となります。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 雇用期間が2カ月を超えて見込まれること
  3. 賃金の月額が88,000円以上であること
  4. 学生でないこと

「厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等」とは、1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業等のことを指します。

現在

厚生年金保険の
被保険者数
101人以上

の企業等

令和6年10月

厚生年金保険の
被保険者数
51人以上

の企業等

したがいまして、令和6年10月以降、社会保険の適用拡大により被保険者となる方を把握し、個人面談などで社会保険の加入メリットや希望によって労働時間を増やすなど働き方の見直しを検討する旨を早めに説明することが重要です。

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